[日商簿記2級(商業簿記)]賞与引当金の設定[無料講座・例題付き!]
今回は日商簿記2級における賞与引当金の設定について学習します。
賞与引当金の設定
賞与引当金は、支給される賞与に関して毎月積み立てておく引当金です。
賞与は支給日と積み立てた時期が一致するわけではないため、月割計算をする必要があります。
例題を通してみていきましょう。
- 当期は×1年4月1日から×2年3月31日までである。
- 賞与の支給日は毎年6月25日と12月10日である。
- 賞与の計算期間は、6月25日支給分は12月1日から5月31日までであり、12月10日支給分は6月1日から11月30日までである。
- ×2年6月25日に支給予定の賞与は18,000円である。
① 上記の資料にもとづき、決算における賞与引当金の設定の仕訳をしなさい。
② ×2年6月25日 賞与18,000円を現金で支払った。なお、この賞与の計算期間は×1年12月1日から×2年5月31日までであり、前期の決算において設定した賞与引当金を用いる。
①賞与引当金の繰入時の仕訳
当期分の賞与引当金を計上する際、×1年12月1日から×2年3月31日までの賞与は当期分の費用となりますが、支給日は次期となります。
したがって、次期に支給される賞与のうち、当期に発生した分については賞与引当金繰入(費用)として処理します。
今回のケースでは×2年6月25日に支給予定の賞与が18,000円で、このうち当期分は6ヵ月分の4ヵ月となります。したがって繰入額は
\(18,000円×\frac{4ヵ月}{6ヵ月}=12,000円\)
となります。
ここで用いる勘定科目は、借方が費用の発生として賞与引当金繰入(費用)、貸方が賞与引当金(負の資産)となります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
賞与引当金繰入 (費用の発生↑) |
12,000 | 賞与引当金 (負の資産の増加↑) |
12,000 |
②賞与支払い時の仕訳
実際に賞与を支払った時の処理です。
支払い時に借方に賞与引当金を記載し取り崩します。また、現金で支給しているため貸方は現金となりますね。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
賞与引当金 (負の資産の減少↓) |
12,000 | 現金 (資産の減少↓) |
18,000 |
賞与引当金として計上した額よりも現金で支給した額の方が多いため貸借がバランスしていません。
この差額として賞与(費用)を用いて処理します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
賞与引当金 | 12,000 | 現金 | 18,000 |
賞与 (費用の発生↑) |
6,000 |
賞与引当金の設定・例題
例題を解いて慣れていきましょう。
問題
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
また、仕訳が複数行に渡る場合、金額の多い物から順に書き、不要なところは空白のままにしておくこと。
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[現金][賞与引当金][賞与引当金繰入][賞与]
問1
×2年3月31日 決算につき、賞与引当金を設定する。当期は×1年4月1日から×2年3月31日まであり、賞与支給日は6月25日(計算期間は12月1日から5月31日まで)と12月10日(計算期間は6月1日から11月30日)である。なお、×2年6月25日に支給予定の賞与は120,000円である。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問2
×2年6月25日 賞与(計算期間は12月1日から5月31日まで)120,000円を現金で支給した。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解答(クリックで展開)
賞与引当金の設定・まとめ
今回は賞与引当金の設定について学習しました。基本的な処理は他の引当金と同じですが、該当する期の分だけ月割計算して計上する点を押さえておきましょう。
次回は外貨換算会計の輸出入について学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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