[日商簿記2級(商業簿記)]固定資産の減価償却(生産高比例法)[無料講座・例題付き!]
今回は日商簿記2級における生産高比例法による減価償却について学習します。
減価償却(生産高比例法)
減価償却の方法として、生産高比例法と呼ばれる方法もあります。
例えば車の様に耐用年数と言うよりは走行距離によって価値が下がって来るようなものが該当します。
こちらも例題を通して学習していきましょう。
×3年3月1日 決算につき、車両運搬具(取得原価800,000円)について生産高比例法により減価償却を行う(記帳方法は間接法)
なお、この車両運搬具の総可能走行距離は10,000km、当期の走行距離は1,000km、残存価格は取得原価の10%である。
生産高比例法による減価償却費の計算
自動車や航空機は総可能走行距離や総可能飛行距離が分かっている場合が多いです。
このように総利用可能量が確定できる固定資産では生産高比例法を用いることで償却していきます。
生産高比例法では当期に利用した分だけ減価償却費を計上する方法で、次の式によって減価償却費を計算します。
\(減価償却費(生産高比例法)\)
\(=(取得原価-残存価格)×\frac{当期利用量}{総利用可能量}\)
今回の償却額は
\((800,000円-800,000円×10\%)×\frac{1,000km}{10,000km}\)
\(=72,000円\)
となります。
減価償却(生産高比例法)・例題
例題を解いて慣れていきましょう。
問題
次の決算整理事項にもとづいて、決算整理仕訳をしなさい(当期:×3年4月1日~×4年3月31日)。なお、残存価格は取得原価の10%として計算し、勘定科目は次の中から最も適当なものを選ぶこと。
勘定科目:[建物減価償却累計額][備品減価償却累計額][車両減価償却累計額][減価償却費]
取得原価 | 期首の減価 償却累計額 |
償却方法 | |
建物(※) | 1,000,000円 | 540,000円 | 定額法(耐用年数50年) |
備品 | 600,000円 | 150,000円 | 定率法(償却率:年25%) |
車両 | 800,000円 | 432,000円 | 生産高比例法 (見積走行距離10,000km、当期走行距離2,000km) |
※建物のうち、200,000円は×3年8月1日に購入したものである。
建物
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
備品
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
車両
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解答(クリックで展開)
減価償却(生産高比例法)・まとめ
今回は減価償却の生産高比例法について学習しました。計算自体はシンプルなのでパターンを押さえてしまいましょう。
次回は固定資産の売却について学んでいきます。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
ディスカッション
コメント一覧
既存の建物:1,000,000円-200,000円=800,000円
既存の建物の減価償却:800,000円−800,000円×10%50年=14,400円
→既存の建物の既存の建物の減価償却
期首の減価償却累計額540,000円を引いていませんが?
800,000円−540,000円×10%/50年では?
定額法の場合、(取得原価-残存価格)/耐用年数で問題ありません。
定率法の場合は機種の減価償却累計額を引いてから償却率を掛ける必要があります。