[宅地建物取引士]法定講習とは?講習の流れやかかる費用は?
新たに宅建士証を申請する場合や、宅建士証を更新する場合に受講しなければいけない講習の一つに法定講習があります。
宅建士は講習が多く、
といった疑問も出てくるかと思います。そこで今回は宅建の法定講習の位置づけや参加費用、開催場所について解説していきます。
これから試験を受ける方も、とりあえず試験に受かったもののどうしようか分からない方も参考にしていただければと思います。
それぞれの講習の位置づけ
まず、宅建絡みの3つの講習である
- 登録講習
- 登録実務講習
- 法定講習
それぞれの位置づけについて確認してみましょう。
登録講習
登録講習は宅建試験を受けるにあたって5問免除になる講習制度です。
これを受けることによって50問ある問題のうち、問46~50が免除(正解扱い)となります。
しかし、この制度を利用するにおいては宅地建物取引業に従事している方のみとなります。
未経験から合格を目指す方は利用できないので注意しておきましょう。
登録実務講習
登録実務講習は宅建試験に合格した方を対象としており、2年以上の実務経験がない場合こちらの講習を受けることになります。
50時間の講習と1時間の修了試験から構成されており、修了することで資格登録申請が可能となり2年の実務経験が無くても宅建士登録ができるようになります。
詳細については以下の記事をご覧ください。
法定講習
法定講習は資格登録後に取引士証交付申請をする際、合格発表から1年以上経っていた場合や、宅建士の更新をする場合に受講する必要があります。
これから深く解説していくのがこちらの法定講習となります。
それぞれの違いを分けると以下のようになります。
講習 | 講習の対象者 | 講習の目的 |
登録講習 | 宅建試験の受験生 | 宅建試験の問題が5問免除される |
登録実務講習 | 宅建試験の合格者で、実務経験が2年未満 | 2年の実務経験があると認められる |
法定講習 | ・宅建登録後、合格から1年が経過した人 ・更新時期を迎える宅建士 |
新しい宅建士証の受け取り |
宅建の法定講習について
あらためて、宅建の法定講習について確認していきましょう。
宅建士証を受け取るために受講する
法定講習を受ける目的としては宅建士証を取得(更新)することです。
- 試験に合格した日から1年を超えている場合
- 宅建士証を更新する場合
の2つのケースに当てはまる場合には法定講習を受講しなければいけません。
初めて宅建士証を取得する場合の流れとしては、宅建士に登録した後に合格発表から1年経過しているか否かによって法定講習を受けるべきかどうかが変わってきます。
更新の場合は有効期限が満了する6ヵ月前から受講できます。有効期限が切れてしまった場合法定講習を受験する前に宅建士証を返納する処理が挟むので注意しましょう。
法定講習を受けなくて良いケースは?
あわせて、法定講習を受けなくて良いケースも確認しておきましょう。
- 試験合格後1年を経過せずに宅建士証の交付を受ける場合
- 宅建士証を持っており、登録の移転を行う場合
あらためて、宅建業法についても確認すると
(宅地建物取引士証の交付等)第二十二条の二
2 宅地建物取引士証の交付を受けようとする者は、登録をしている都道府県知事が国土交通省令の定めるところにより指定する講習で交付の申請前六月以内に行われるものを受講しなければならない。ただし、試験に合格した日から一年以内に宅地建物取引士証の交付を受けようとする者又は第五項に規定する宅地建物取引士証の交付を受けようとする者については、この限りでない。
となっています。
宅建士の法定講習の内容
宅建士の法定講習の内容についても確認しておきましょう。
講習の科目について
法定講習で学習科目は
- 宅地建物取引士の使命と役割
- 法改正の主要な改正点と実務上の留意事項
- 紛争事例と関係法令及び実務上の留意事項
- 改正税制の主要な改正点と紛争事例および実務上の留意事項
の4科目となっています。
宅建試験の内容と被ることはあまりなく、不動産業に関する法改正や実務寄りの事例などがよく出題されます。
2014年から宅建業法が改正され、宅地物取引主任者から宅地建物取引士へ変更され士業となったことで、1の使命と役割が追加されたと言われています。
講習の時間割は?
法定講習はほぼ1日フルに使って学習します。
具体的な時間割は大まかに見て以下の通りです。
時間 | 内容 | 詳細 |
9:30~9:55 | 受付開始 | 受講票の確認や更新の場合、古い宅建士証の解消を行います。 |
9:55~10:00 | 事務説明 | 注意事項や講習の流れなどの説明です。 |
10:00~12:40 | 午前講習 | ・宅地建物取引士の使命と役割 ・法令改正の主要な改正点と実務上の留意事項 |
12:40~13:30 | 昼休み | – |
13:30~17:10 | 午後講習 | ・紛争事例と関係法令および実務上の留意事項 ・改正税制の主要な改正点と紛争事例および実務上の留意事項 |
17:10~ | 宅建士証交付 | 新しい宅建士証が交付されます。 |
scheduleの通り、法定講習は非常に長く1日費やす覚悟で臨まなければいけません。
講習の間、居眠りなどは到底許されませんが講師は弁護士や税理士といった専門家で、最新の法律を学べるといった良さもあります。
講習の場所は?最近は自宅で受講する事も可能!
法定講習の会場は日本各地で行われています。日程についても各都道府県の宅地建物取引業協会のHPから確認できるので確認してください。
また、近年はこのご時世もあり会場ではなく自宅学習による受講に遷移しつつあります。
常に公式サイトを確認し、どのような流れになっているかを確認しましょう。
法定講習の費用・持ち物
法定講習に係る費用や持ち物の確認も忘れてはいけません。
費用
法定講習関係の費用は以下の通りです。
内容 | 費用 |
法定講習の受講料 | 12,000円 |
宅地建物取引士証の交付手数料 | 4,500円 |
講習の受講量自体は12,000円ですが、講習修了時に宅建士証も交付され、あわせて16,500円が必要となります。
現金で払う必要もあるので、注意しておきましょう。
持ち物
持ち物は以下の通りです。
- 筆記用具
- 認印(シャチハタ不可)
- 写真3枚(同一のもので、サイズ3×2.4・撮影6ヵ月以内)
- 受講費用16,500円
- 宅地建物取引士証(更新の場合、古い物)
宅建士証を紛失した場合には紛失届を出す必要があることも押さえておきましょう。
宅建の法定講習まとめ
今回は宅建の法定講習について解説しました。
これから宅建士証を受け取ろうと思っている方で試験合格から1年経っていたり、宅建士の更新がある方は法定講習を受講しなければいけません。
特に更新の場合、5年に1度なので忘れてしまいがちですが、しっかりと確認して覚えておきましょう。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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