[日商簿記2級(商業簿記)]営業外約束手形の処理[無料講座・例題付き!]
今回は日商簿記2級で問われる営業外約束手形の処理について学習します。
営業外約束手形
手形を使うのは直接商品に関係するような商品売買に限った話ではありません。
例えば建物や車両などを手形で購入するケースも多々あります。
その際は営業外約束手形を用います。
そして営業外約束手形にも、通常の約束手形同様、営業外支払手形と営業外受取手形があります。
それではさっそく、問題を通してみてみましょう。
ひまわり商事はすすき商事から車両を500,000円で購入し、代金は約束手形で支払った。
商品以外の物を手形(営業外支払手形)で買ったときの仕訳
今回の問題では車両(資産)を購入しているため借方に記入します。
また、建物や土地など商品以外の物を手形で買った場合は商品の売買と区別するため、同じ手形でも営業外支払手形(負債)を用いて処理します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
車両 (資産の増加↑) |
500,000 | 営業外支払手形 (負債の増加↑) |
500,000 |
この事からも、商品を買った場合は支払手形を、商品以外を買った場合は営業外支払手形を用いると覚えておきましょう。
つまり
買ったもの | 勘定科目 |
商品 | 支払手形 |
商品以外 | 営業外支払手形 |
ってことだね!
営業外支払手形の代金を支払ったときの仕訳
営業外支払手形も負債のため、後日支払う必要があります。
先ほどの車両の代金50万円分の営業外支払手形を現金で支払ったとすると
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
営業外支払手形 (負債の減少↓) |
500,000 | 現金 (資産の減少↓) |
500,000 |
となります。
商品以外の物を手形(営業外受取手形)で売ったときの仕訳
次に、商品以外の物を売り上げた側(すすき商事)の仕訳も見てみましょう。
今回は車両を売っているので、車両(資産)が減ります。
また、車両や建物など、商品以外の物を売って代金を手形で売ったときは商品売買用の手形と区別するために営業外受取手形(資産)を用いて処理します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
営業外受取手形 (資産の増加↑) |
500,000 | 車両 (資産の減少↓) |
500,000 |
営業外受取手形の代金を受け取ったときの仕訳
営業外受取手形の代金を受け取った場合の処理も見ておきましょう。
流れとしては通常の受取手形(資産)と同じです。当座預金に振り込まれたとすると
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
当座預金 (資産の増加↑) |
500,000 | 営業外受取手形 (資産の減少↓) |
500,000 |
といった処理になります。
営業外約束手形・例題
例題を解いて慣れていきましょう。
問題
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
また、仕訳が複数行に渡る場合、金額の多い物から順に書き、不要なところは空白のままにしておくこと。
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[現金][当座預金][建物][車両][営業外受取手形][営業外支払手形][固定資産売却益][固定資産売却損]
問1
建物1,500,000円を購入し、代金のうち200,000円は小切手を振り出して支払い、残額は約束手形を振り出して支払った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問2
車両(帳簿価格800,000円)を1,200,000円で売却し、代金は約束手形で受け取った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解答(クリックで展開)
営業外約束手形・まとめ
今回は営業外約束手形ついて学習しました。通常の約束手形との使い分けを覚えておきましょう。
次回は電子記録債権について学んでいきます。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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