[日商簿記2級(商業簿記)]固定資産の減価償却(定率法)[無料講座・例題付き!]
今回は日商簿記2級における定率法による減価償却について学習します。
減価償却(定率法)
パソコンの様にすぐに価値が下がる固定資産に関しては、定率法と呼ばれる方法で減価償却を行う場合もあります。
定額法が一定額ずつ減価していく方法でしたが、定率法ではどのような処理を行うかも例題を通して確認してみましょう。
なお、減価償却方法は定率法(償却率40%)、記帳方法は間接法による。
定率法による減価償却費の計算
定率法では、期首時点の帳簿価格(未償却残高)に一定の償却率をかけて減価償却を行います。
\(減価償却費(定率法)\)
\(=(取得原価-期首減価償却累計額)×償却率\)
これより、減価償却費は(2,000円-0円)×40%=800円となります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
減価償却費 | 800 | 減価償却累計額 | 800 |
購入後2年目の減価償却費
購入後2年目の償却額は(2,000円-800円)×40%=480円となります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
減価償却費 | 480 | 減価償却累計額 | 480 |
購入後3年目の減価償却費
購入後3年目の償却額は(2,000円-800円-480円)×40%=288円となります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
減価償却費 | 288 | 減価償却累計額 | 288 |
定額法の償却率
定額法の償却率とは、1を耐用年数で割って求めた率の事です。
\[定額法の償却率=\frac{1}{耐用年数}\]
平成24年4月1日以降に取得する固定資産について適用される定率法では、定額法の償却率を2倍にした値となります。
\[定率法の償却率=定額法の償却率×200%\]
例えば耐用年数が5年の備品において、定額法の償却率と定率法の償却率を求める場合
- 定額法の償却率:\(1÷5=0.2\)
- 定率法の償却率:\(0.2×200%=0.4\)
となります。
減価償却(定率法)・例題
例題を解いて慣れていきましょう。
問題
次の各取引について仕訳しなさい。ただし、減価償却方法は定率法(償却率:年20%)によって間接法により記帳すること。
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[当座預金][備品][減価償却累計額][減価償却費]
問1
×1年4月1日 備品396,000円を購入し、代金は据付費用4,000円とともに小切手を振り出して支払った。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問2
×2年3月31日 決算につき、減価償却を行う。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問3
×3年3月31日 決算につき、減価償却を行う。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
問4
×4年3月31日 決算につき、減価償却を行う。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解答(クリックで展開)
減価償却(定率法)・まとめ
今回は減価償却の定率法について学習しました。取得原価ではなく、未償却残高に定率を掛けることを押さえておきましょう。
次回は固定資産の生産高比例法による減価償却について学んでいきます。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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