[日商簿記2級(商業簿記)]会社の合併[無料講座・例題付き!]
今回は日商簿記2級における会社の合併について学習します。
会社の合併
会社の規模を大きくしたり、商品の市場占有率を高めたりと言った戦略のために複数の会社を合併して大きな1つの会社にすることがあります。
これを合併と呼び、合併時にはそれぞれの会社の資産や負債を合算する処理をしなければいけません。
例題を通して流れを確認していきましょう。
なお、合併直前のいちご商事㈱の資産・負債の公正な価値(時価)は、諸資産24,000円、諸負債20,000円であった。
合併の流れと用語
合併の形態には、ある会社が他の会社を合併する吸収合併と、複数の会社が全て解散して新しい会社を設立する新設合併があります。
余談になりますが、吸収合併によって消滅する会社を被合併会社、残る会社を合併会社と呼びます。
吸収合併したときの仕訳
吸収合併した場合、ひまわり商事㈱(合併会社)が、時価でいちご商事㈱(被合併会社)を購入したと考えます。
したがって、ひまわり商事㈱では、いちご商事㈱の資産・負債を時価で受け入れます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
諸資産 (資産の増加↑) |
24,000 | 諸負債 (負債の増加↑) |
20,000 |
また、対価としてひまわり商事㈱の株式を譲渡しているので資本金(純資産)の増加として処理します。
価格は@50円×100株=5,000円となります。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
諸資産 | 24,000 | 諸負債 | 20,000 |
資本金 (純資産の増加↑) |
5,000 |
この差額として、借方不足分の1,000円はのれん(資産)として処理します。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
諸資産 | 24,000 | 諸負債 | 20,000 |
のれん (資産の増加↑) |
1,000円 | 資本金 (純資産の増加↑) |
5,000 |
会社の合併・例題
例題を解いて慣れていきましょう。
問題
金額は3桁ごとにカンマで桁区切りをして半角で入力すること(iOSの一部の環境以外は自動入力されます)。
(例:現金 500、商品 1,000,000)
また、仕訳が複数行に渡る場合、金額の多い物から順に書き、不要なところは空白のままにしておくこと。
使える勘定科目は以下のものとする。
勘定科目:[当座預金][売掛金][のれん][買掛金][借入金][資本金]
問1
東京商事株式会社は、千葉商事株式会社を吸収合併し、株式80株(1株当たりの時価は100円とし、全額を資本金とする)を発行し、千葉商事株式会社の株主に交付した。
なお、合併直前の千葉商事株式会社の資産と負債(ともに時価)は以下の通りである。
- 当座預金:30,000円
- 売掛金:20,000円
- 買掛金:23,000円
- 借入金:22,000円
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
解答(クリックで展開)
会社の合併・まとめ
今回は会社の合併について学習しました。合併時に資本金を増加させる点や、のれんの計算方法は押さえておきましょう。
次回は法人税等の中間申告について学習します。
福井県産。北海道に行ったり新潟に行ったりと、雪国を旅してます。
経理4年/インフラエンジニア7年(内4年は兼務)/ライター5年(副業)
簿記2級/FP2級/応用情報技術者/情報処理安全確保支援士/中小企業診断修得者 など
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